平成24年度、佐賀市教育委員会学校教育課と協働事業として
佐賀市の
「小学校外国語活動をよくするための地域人材活用アイディア」
を研究しました。
一年間を通して、小学校でのモデルケース作り
■小学校でのモデルケース作り
はじめに、外国語活動で地域人材にできることは何かをまとめました。
・子どもたちの身近な地域の人で、日本人が英語を使う見本を楽しく見せることができます。
・海外での失敗談や経験をもとに、コミュニケーションの大切さ、異文化間の違い、国際マナーを教えることができます。
・外国人の友人などのコネクションを生かして、子どもたちに体験活動を提供できます。
・そして、学級担任のサポートや、日本語があまりできない外国人ALTとの間に入って交流のサポートができます。
実際に大和町の春日小学校にSAGA子ども英語研究会から地域人材として、5年生、6年生それぞれの学年に配置し、必修35時間のうち外国人ALTの来校しない日の授業のサポートを行いました。
実際の手順として
担当の先生と年間計画、役割分担を確認し、
各回の授業のテーマに応じて私たちがアイディアを提案、教案、教材作成の補助を行い、
ティームティーチングによるサポートを行いました。
当初の事業計画で、「ALTと学校のコーディネーター的サポートをする」と計画していましたが、佐賀市教育委員会とALT派遣会社との業務委託契約で、ALTと授業に関する打ち合わせや教材確認を一緒に行うことは労基法に触れるということでしたので、コーディネーター的役割はできませんでした。
しかし、学校からの要望もありALT担当の最初と最後の授業に後方支援として入り、理解に困難のある児童のサポートや教材の準備を手伝いました。
ティームティーチングでの地域人材の役割を大きくまとめると、
担任の先生は
子どもたちの不安に寄り添い、
学級をまとめ、
そして子どもたちの興味や積極性を引き出す、
いわゆる「コーチ」であることに対し、
私たち地域人材は
子どもたちに自発的に必然性をもって取り組める活動の提供と
生の声をもった動く視聴覚教材、
すなわち「ティーチャー」のとしての
役割を担っていることが確認できました。
佐賀市全体の実態調査を行い、具体的に地域人材に何が求められているかの考察を行いました。
アンケートは全部で25問、対象は佐賀市の5・6年生の担任の先生方、回収率は9割でした。
先生方の英語力に関する質問などから、全体の8割の先生が不安を感じていることがわかりました。別の設問で外国語活動必修化が導入されて5・6年を初めて担当した先生は全体の6割でした。この割合は年々減っていくはずですが、佐賀大学教育学部の学生にインタビューをしたところ、今の2年生から、外国語活動の指導法の授業を、選択で履修することができるようになったそうです。なので、地域人材のサポートの必要性はもちろんや研修体制に課題があることがうかがえました。
現場の先生たちが実際、地域人材のサポートで期待されていることは、アクティヴィティーなど活動アイディアがダントツで、次に英語の発音、英語での授業進行などであることがわかりました。ALTとのコミュニケーションや授業内通訳を求められている回答も見られましたが、これは、先ほども申し上げましたとおり、市の契約の関係で、私たちにはその期待に応えることできませんが、それ以外で求められていることには、今後も研究をつづけ、期待に応えていきます。
そして、このアンケート結果をもとに、12月初旬にワークショップと座談会を実施しました。
レッスンアイディアのシェアや意見交換を通して、不安な点の解消、
また外国語活動を通じて子どもたちに得てほしいこと、そのために指導者は何をすべきか、意見の共有を行いました。この日は、地域人材、現場の先生方、佐賀大学の学生、他県からの参加者がありましたが、小学校の先生方の参加が少なかったので、開催時期や周知方法の工夫を行い、今後も続けていきたいと考えています。
11月5日に赤松小学校で、バルーンフェスタ来佐中の友人と一緒に外国語活動を行いました。児童からはたくさんの前向きな感想を得ることができ、国際理解のきっかけとなる豊かな経験を児童に与えることができたと手ごたえを感じています。NHKや佐賀新聞社にも取材してもらい、学校と地域のオープンな環境づくりに寄与することができました。
■まとめ:地域人材にはどういう人が求められるか
・児童や先生たちの不安や心細さに配慮ができ、日々英語の勉強と研究を継続していること。
・授業という現場に入るわけですから、学校教育全体のことを考えて行動できる人
が求められていることが、わかりました。
■今後について
引き続きワークショップを協働で開催し、現場の先生方との情報交換を行ってまいります。
以上、3月12日(火)開催の成果発表会にて発表を行いました。詳しい様子は後日佐賀市のホームページにて公開されます。
(提案公募型協働委託事業
「佐賀市ぴかぴか☆協働まちみがきプロジェクト2012」
協働にチャレンジ部門 採択事業
佐賀市の小学校外国語活動をより良くするための
「佐賀市小学校外国語活動+α(地域人材活用アイディア」研究事業)
【ま】